なろう作家「スズメを駆除すれば収穫量は伸びる」
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なんと、我が国は未だ食糧不足に悩まされているらしい。
思わぬところで我が国の後進性を目の当たりにし、頭を抱えたくなる。
しかし、人民の窮乏を見逃していては理想の社会を作り上げることなど叶わない。私は落ち着いて人民に問う。
「君、自分の口と手の数は数えられるか?」
「ええと…いち…いちに…口は一つで手は二つでございます」
「そうだろう、つまり食べる口が一つで、働く手が二つあるうちは我々は飢えることはない」
「!!!!」
一つの口が物を食べている間に、二つの手で食糧を作り出す。
一つ消費する間に二つ生産することができる。
こうすれば食糧が不足することはない。
「なるほど、つまり人口が増えるたびに食糧の生産能力も比例して増えていくということですね!」
「そうだ、そうして作ったものを平等に分配すればこの国、いや、世界の悲惨というものはなくなるのだ」
「産めよ、増やせよ、地に満ちよ。一番の解決策は人口を増やすことだ。子を養えるか、などと臆する必要などない」
「しかし、子が育つまではどうすればいいのですか」
「うむ、緊急的な解決方法としては、稲を植える感覚を半分にすることだ。同じ種類の植物は互いの成長を阻害しない。
これだけで2倍の収穫量になるだろう」
「後は、稲を食う害獣を駆除する。具体的に言えばスズメなどだな」
人民から感嘆の声が上がる。
「さすが同志!」「我々には考えもつかなかったことです!」「こんな革命的発想を思い付くなんて!」